最終更新日 2022年10月24日
「創業や新事業を始めようと考えている」「自社サイトやホームページのリニューアルを考えている」そんな皆様向けに、ホームページ作成業者に発注する前に、ご自身で整理しておくべき『作るべきWEBサイトの型』と『そのサイトの目標設定』について解説します。
本記事にて解説した内容を整理しておくことで、WEBサイト作成業者さんへの発注もスムーズになり、またご自身の事業の推進に役立つWEBサイト作成に繋がります。
自分の作りたいサイトはどの類型に当てはまるものなのか、何をサイトの最終目標に据えるのかを考えながら読み進めて頂けたら幸いです。
専門用語は避けて、事業者様のわかりやすいネーミングに言い換えているので、ある程度専門知識のある方は違和感を感じるかもしれませんが、予めご了承ください。
ネットショップ型サイト

- WEBサイト上で商品の販売・決済まで済ませたい方
- BtoCビジネスで、単価が低い商材を扱っている方
などはWEBサイト上で売上が成立するネットショップ型のWEBサイトを作成依頼することが有効です。
ネットショップ型というと、Amazonや楽天のような大規模なものを想像しがちですが、現在はShopifyやBASEなどサービスにより、決済システムまで簡単に組み込んだネットショップを中小企業でも簡単に持つことが出来るようになりました。
この種のサイトの場合、設定すべき目標としては以下となります。
中間目標指標(KPI)
購入完了までのコンバージョン率、一顧客あたりの購入単価
最終目標(KGI)
WEB経由の売上金額(増加率)の上昇
上記を踏まえ、サイト構築前に以下のように目標を言語化しておきましょう!
『コンバージョン率3%(サイト流入総数における購入完了数の割合)、一顧客あたりの単価を〇〇円を中間目標指数として、結果としてWEB経由の売上金額を〇〇万円を目指す。』
そうすれば、WEBサイトの作成業者さんも
「では顧客単価を上げるために、関連商品のセット購入を促す画面構成にしましょう」
など提案してくれやすくなりますよ!
商談・見込み顧客獲得型サイト

・BtoCの高単価な商材を扱っている
・BtoBのビジネスを行なっている
上記のような方には見込み顧客や商談数を増やすために、WEBからのお問い合わせや連絡先獲得を目指すこの型のサイト・ホームページを作成依頼することが有効です。
具体例で考えてみましょう
注文住宅などを商材として取り扱っている場合、WEBの情報だけで購入を決め、決済まで進む人はほとんどいませんよね?
そのため営業担当がまずはアポイントを取るための連絡先情報を取得することがWEBサイトの目的として適切になります。
ただメールアドレスや電話番号を教えてくれるお客さんは居ないので、住宅を選ぶ上でのお役立ち情報をまとめた資料を掲載し、ダウンロードしたければメールアドレスの入力を求めるなど工夫を凝らす。
などがよくある商談・見込み顧客獲得型のサイトの形態です。
この種のサイトの場合、設定すべき目標としては以下となります。
中間目標指標(KPI)
資料請求数、お問い合わせ数など
最終目標(KGI)
WEB経由で獲得する商談数、連絡先数の増加など
上記を整理しておいて、WEB制作業者さんにお伝えすれば
『お問い合わせボタンを、各所に散りばめるようにしましょう」
など提案いただけると思います。
ちなみに当事務所のホームページも、コンサルという提供サービスの性質上このモデルを採用しています。
メディア型サイト

- コーポレートサイトとは別で、サイトを作ることを検討している
- 市場啓蒙期の商材を取り扱っている
上記のような方はメディアサイト型のWEBサイト作成を検討してみるのも良いかもしれません。
メディアサイト型とは、企業ブログ(オウンドメディアなんて最近は言いますね)やニュースサイトのような形態のサイトです。
よくある具体例としては
SaaSなどを開発しているソフトウェア企業などが、所属エンジニアによる技術ブログを運用したりするパターンです。
このようなサイトの効果としては、技術力の高さのアピールによりエンジニア人材採用に有利に働いたり、他社の開発者が技術情報を調べてブログを見て自社や商品名を知り認知拡大につながる。
などの効果が見込まれます。
そもそもビジネスを始めたてで露出を増やしたい場合、この種のサイトによる認知拡大効果を狙うことも視野に入れると良いでしょう。
この種のサイトの場合、設定すべき目標としては以下となります。
中間目標指標(KPI)
サイト訪問者数、広告のクリック率(アフィリエイトサイトの場合)など
最終目標(KGI)
自社や自社商品の認知向上、広告収益による売上向上(アフィリエイトサイトの場合)など
中小規模の事業の場合は、ネットショップ型や商談・見込み顧客獲得型と組み合わせたサイトにしてみるのも良いかもしれません。
(当事務所のサイトの場合は、リードジェネレーション型とメディアサイト型の複合形ですね。)
顧客サポート型サイト

- 製品に関するコールセンターを用意している企業
- 商談以外の問い合わせも多い企業
上記のような方は顧客サポート型のWEBサイト作成を検討してみると良いでしょう。
具体例としてはQ&Aがメインで載っているサイトなどが挙げられます。
よくコールセンターに来る質問を先回りして、WEBサイトに掲載しておくような形態ですね。
そうすることでコールセンターに質問電話をかける前に、WEBサイトでしらべ事前に解決してくれる顧客が増え、コールセンターの業務量を減らすことが可能です。
この種のサイトの場合、設定すべき目標としては以下となります。
中間目標指標(KPI)
コールセンターへの電話の減少率など
最終目標(KGI)
顧客満足度の向上など
この種のサイトの場合は顧客満足度調査などを行うことで、初めて効果が分かることが多いです。
コールセンターへの電話が減っただけでは手放しに喜ばず、顧客の利便性を損ねていないかを慎重に見極めることが大切です。
オンラインサービス型サイト

- SasSなどオンラインサービス型の事業展開を考えている方
- 会員制サービスをオンライン提供する予定の方
上記のような方はオンラインサービス型のWEBサイトを考えるとよいでしょう。
具体例でいうと、freeeさんなどのクラウド会計ソフトや、ブラウザ版のNetflix、開発者向けだとGitlabやGithubなどが有名どころでしょう。
特にSaaSベンダーになろうと考えている場合は、提供サービスの入口となるサイト作成を外注できる業者がかなり限られるので、実績を見て慎重に選びましょう。
この種のサイトの場合、設定すべき目標としては以下となります。
中間目標指標(KPI)
コンバージョンレート、有料会員数、アクティブユーザ数など
最終目標(KGI)
売上金額(増加率)など
この種のサイトはKPIを一つに絞らず、複数設定して複合的に見る必要がある場合が多いです。
原因としては有料会員数が増えても、それが日常的に利用してくれるアクティブユーザ化しなければ今後の解約増加なども予測されるためです。
ご自身のビジネスをよく分析して慎重に設定しましょう。
最後に
WEBサイトの作成は、時間もお金もそれなりにかかり決して安い買い物ではないので、全て業者にお任せではなくこれまでの記事で解説したことなどを検討し、慎重に作成に取り組みましょう。
見切り発車でWEBサイトを作ると、全く事業に貢献しないサイトが出来上がってしまいます。
上記のような型は一つに絞る必要はなく、二つの複合型などの形を採用しても問題ありませんが、あまりいくつも複合させることは最終目標が不明瞭になるため、あまりおすすめしません。
WEBサイトの作成業者さんは、あくまでもWEBサイト自体を作成するプロであり、皆さんの事業に最適な形やサイトの目標についてはある程度自社で考えておきましょう。
そうは言っても、やっぱり自分達で考えるのは難しいということであれば相談にのりますし、サイト作成業者さんとの会議に同席することも可能です。お気軽に問い合わせください。