最終更新日 2024年11月13日  

ホーム » デジタルマーケティング » 新規顧客獲得の手法と成功のポイント【中小企業診断士監修】

中小企業診断士の川元です。

「売上を伸ばしたいが、中々新しい顧客が増えない」

そんなお悩みかかえていませんか?

今回は新規顧客獲得のためのターゲットの特定から具体的な手法まで、デジタルと非デジタルの両面から解説します。

デジタル施策による新規顧客獲得施策ばかり注目される昨今ですが、アナログな手法も侮ることは出来ません。

皆様の業種業態によっては、現代においてもアナログな手法を主力施策とするべき場合さえあります。

ぜひご自身の会社に当てはめて考えながらお読みください。

こんな方におすすめ

売上が上がらず困っている経営者様

新規顧客を獲得したいが、打ち手が思いつかない経営層の方

狙う顧客の解像度向上

新規顧客を獲得する際に、直ぐに広告施策などに着手してしまわず、顧客像を事前に見定めることが、成功のポイントと言えます。

顧客像が見えていない限り、具体的な集客施策を行なったとしても顧客の行動と合致せず、チグハグな施策となりかねません。

手間に感じるかもしれませんが、本章の内容を集客施策を開始する前に実践することをおすすめします。

既存顧客の分析

新規顧客を獲得するためには、その商品やサービスのどこがお客様のニーズと適合しているのかを、しっかり理解する必要があります。

それを知る上で、既存のお客様とのコミュニケーションの中から、お客様がなぜ今その製品やサービスを買ってくれているのかを紐解いていくことが、簡単であり正確な方法として考えられます。

店舗ビジネスで、お客様と対面での接点がある場合は接客の中でヒアリングしてみると良いでしょう。非対面のビジネスの場合は、アンケートへの回答依頼などにより情報取得することが考えられます。

獲得したい顧客層の精緻化

何が購買の要因になっているのかを把握できれば、そのようなニーズを抱える顧客がどんな人や会社なのか絞り込んでいきましょう。

例えば、エアコンクリーニング業者が既存顧客の分析をしていった所、「エアコンが古くなってきているが、大屋と交渉しないとエアコンを付け替えることが出来ないがなんとか綺麗にしたい住人のニーズを、解体清掃サービスは捉えている」と分かったとします。

その場合同じニーズを抱える人は、築10年前後の賃貸マンションに多いのではないか?といったように、潜在顧客層を絞り込んでいくことが可能となります。

想定顧客の行動分析

想定顧客

ペルソナ設定

ある程度顧客層が見えてきましたら、具体的な顧客像(=ペルソナ)を設定してみましょう。

ペルソナ設定する際には以下のような要素を検討していくと、より具体的にご自身の事業で新規顧客として獲得するべき方が想像できるようになってきます。

ペルソナ設定する際の検討要素例
  • 年齢
  • 性別
  • 居住地
  • 住居情報(賃貸・持ち家/一軒家・マンション 等)
  • 職業
  • 年収
  • 家族構成
  • 趣味
    etc

先ほどのエアコンクリーニング事業者の場合だと以下のような設定などが考えられます。

年齢:33歳
性別:女性
居住地:東京都北区赤羽
住居情報:築8年の賃貸マンション
家族構成:夫、子供一人(1歳)
職業:事務職(現在育休中)
世帯年収:700万円

ペルソナ行動分析

ペルソナ設定が完了したら、設定したペルソナの方がどのような考えのもとどのような行動をとっているか、どのような媒体をよく目にするのかなど、行動案を検討してみましょう。

例えば、先ほどのエアコンクリーニング業者が設定したペルソナの行動を想像してみると以下のような動きが見えてくるかもしれません。

行動予測案
  • 最近子供ができたため、育休をとり家にいる時間が増え、これまであまり気にならなかったエアコンの匂いに気がつき始めた。
  • 子供は清潔な空間で育てたいと考えており、エアコンの買い換えを検討していたが、YoutubeやInstagramで調べると、大家と交渉しないと勝手に変えられないことが分かった
  • 調べを進めると、賃貸を出る時には付け替えたエアコンを持っていく訳にはいかない可能性が高いことも分かってきており、分解清掃か引っ越しを検討し始めた
  • 年齢的にもそろそろ、持ち家を検討したいが昨今の都内不動産価格の高騰により夫と会話した結果引っ越しは諦め、分解清掃をお願いするのが良さそうだと考え始めた
  • 分解清掃を実施してくれる事業者をGoogle検索やSNS(XとInstagram)を使って調べ始めた

ここまで、行動の仮説が出来た場合、エアコンクリーニング業者が自社の存在を知って貰うためのタッチポイントとして、適切と考えられる場所(上記の場合WEBページとSNS)が浮かび上がってくることと思います。

そうなれば、そのタッチポイントにおいて自社の存在・サービスを知って貰うような行動計画を立てることができるようになります。

認知向上施策

顧客像が見えてきたら、それらの顧客になり得る方々に自社のサービスを知って貰う必要があります。

その為の主力施策として適しているものは、業種や顧客像別に異なります。

ペルソナ行動分析を踏まえて、どの施策が一番想定顧客にアプローチしやすいかを考えていきましょう。

代表的な認知向上施策としては、以下のようなものが挙げられます。

広告出稿

広告には、リスティング広告やSNS広告のようなデジタル媒体での広告と、チラシ広告のようなアナログ媒体での広告が存在します。

昨今はデジタル広告への関心を持つ事業者様が増えてきており、実際に効果的な場面も多く存在します。

一方で、デジタル化が進む現代においても、チラシ広告の方が効果的である場合もあります。

対象顧客像がより認知してくれやすい媒体や広告手法は何なのか、広告費を無駄にしないためにも、これまでお示しした分析を通じて検討する必要があります。

SEO・MEO対策

SEO対策とは、GoogleやYahooなどで特定のワードで検索された時に、自社のサイトが上位表示されるように対策することです。デジタル広告と違い、お金を払って表示させる形ではないので、投資額としては広告出稿より少なく実施できることが多いですが、適切な方法でそれなりの時間をかける必要があります。

MEO対策とは、Googleマップなどの地図アプリを開いた時に検索上位に表示される(昨今はブラウザ検索でも登録事業者が表示される)ように対策することです。

店舗ビジネスを行っている場合には、特に向いている施策となります。

紹介営業

こちらはアナログな施策ではありますが、既存の定着顧客の多くが「仲のいい企業から紹介してもらって、あなたの会社との取引を始めた」というような場合などは、重視すべき施策として実施し続ける必要があるでしょう。

全く認知されていないサービスを、導入して貰うための大きな障壁である「信頼の獲得」を超えるためには、他の顧客からの紹介の効果は大きく、実施可能であれば多くの事業者にとって有効な施策です。

展示会出展

革新的なサービスや、WEBでは取引が完結しない(営業担当などからじっくりと話しを聞かないと購買判断をしずらい)サービスを取り扱っている場合は、有効となりやすい施策です。

展示会は出展費用が高額となりやすいことが懸念点の一つとして挙げられますが、展示会出展費用を補助してくれる公的な補助金などをうまく活用することで対策は可能です。

自社としては顧客と直接会話し名刺を貰う機会になり、顧客側としてはサービス提供者と直接会話することやで安心感を持って取引検討できる良い機会となります。

コミュニティ営業

顧客となり得る企業群が属している業界団体や、コミュニティーに入会し、関係性を深める中で発注を獲得するという手法が適している業界は存在します。

私がご支援させていただいた企業様でも、ある業界団体の準会員となり、顧客ターゲットである本会員企業と定期的に会合等で顔を合わせることで、関係性を作り発注を獲得しているケースは存在します。

顧客化に向けた施策

顧客が認知後にすぐに購買行動をとるような商材(日用雑貨等)以外の場合には、認知を獲得後に発注をしてもらえるよう顧客育成と呼ばれる施策を行う必要があります。

顧客育成を行うためには、前段の認知獲得の段階で想定顧客の名前・連絡先などを取得しておく必要があります。その上で顧客育成手段としてあげられる代表的な施策をここではご紹介します。

メルマガ・公式LINE

顧客育成には一度知ってもらった後、忘れられないように複数回顧客接点を持ち、且つ良好な印象を持って貰うことが有効です。

そのためには、お客様にとって役立つ情報をメールマガジンや公式LINE等で配信することは一つの有効策として考えられます。

オンラインセミナー

顧客接点をもち、且つ良好な印象を持って貰うことを達成する為の別の施策として、オンラインセミナーの開催は有効策として挙げられます。

お客様の役にたつ情報を発信するセミナーを開催し、名刺交換等を行なった方々にご案内して集客をします。

コロナ禍以降、Zoomなどオンラインでのコミュニケーション手段が急速に拡大したため、どんな事業者様も手軽にオンラインセミナーを開催できるようになりました。

またオンラインセミナーの特徴として、一度実施したものを録画しておけば、定期的に使うことが出来る点も大きなメリットです。

まとめ

今回は新規顧客獲得の施策と成功に向けてのポイントを解説しました。いかがでしたでしょうか?

本記事が経営者様のお役に少しでも立てば幸いです。

今回の記事は、代表的手法と初歩的な部分に絞って解説しています。

当事務所にご依頼いただいた場合は、皆様の会社に適した新規顧客獲得手法を、今回書ききれなかった多くの選択肢も含めて検討し、最適な施策をご提案・実行支援まで行わせていただきます。

また中堅中小企業でのマーケティング経験のある国家資格(中小企業診断士)保有コンサルタントが、皆様の会社の事情や予算に合わせた顧客獲得施策をご提案・ご支援させていただきます。

お困りであればぜひ無料相談にてお悩みをお聞かせください。


川元 芳晃(かわもと よしあき)

巣鴨コンサルティング代表。中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格)。 金融機関とベンチャー企業での経営企画/マーケティング部門での勤務経験から、中小・ベンチャー企業の資金調達/資金繰り改善/デジタルマーケティングを駆使した集客改善支援を得意とする。