最終更新日 2025年1月7日
経済産業省登録・中小企業診断士の川元です。
近親者が塾の経営していることもあり、塾経営のご支援は得意領域としていますが、ご支援依頼をいただく方々から、以下のようなお声を聞く機会が昨今多くなってきております。
「塾の開業をしたが、思いのほか利益が残らない」
「塾の開業をしたいが、立地的に問題ないか?フランチャイズ加盟で始めた方がいいか?」
上記のようなお悩みを抱える経営者様や塾のマネジメントの方向けに、普段当事務所がご支援の際にお伝えしている内容の一部を抜粋してお伝えしたいと思います。
文部科学省が発表している通り、少子化により子供1人あたりにかける学習費は増えてきていますが、市場の追い風に乗れている学習塾とそうでない学習塾が明確に分かれてきています。
塾経営でお困りの方や、これから開業を考えている方は、ぜひ一度当事務所の無料経営相談をお試しください。
塾を経営しているが、思うように利益が残らなくてお困りの経営者様
これから塾経営を始めるつもりの経営者様
経営に必要な集客数とは?

突然ですが、皆様はご自身の経営する塾において、何人の生徒を集め/何科目販売すれば赤字が0円になるか(損益分岐点)把握できていますか?
上記の質問に対し、明確に何人・何科目と答えられない場合、厳しく聞こえてしまうかもしれませんが、皆様の行っている塾運営は運任せの賭けに近いと言わざるを得ません。
上手くいっているのであれば、それは運が良かっただけであり、上手くいっていないのであれば、準備を怠って賭けに出た当然の結果といえます。
上述の内容を把握するためには、皆様の塾の財務的な仕組みを理解することが不可欠であり、こちらを理解することで「間違った方向の努力をしてしまうこと」を防ぐことができます。
結果として、経営が楽になることに繋がりますので、数式アレルギーを起こさずにぜひお読みいただければ幸いです。
(どうしても理解できない場合、当事務所にお声掛けください。手頃な価格で、ご支援いたします。)
どのように損益分岐点は分析すればよいか?
まずは損益分岐点売上(皆様の事業が黒字に転換する売上)を計算してみましょう。
具体的には以下の式で計算することが可能です。難しいと感じても必ず計算してみてください!この計算が皆様の今後の塾経営を大きく左右します。
損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率(※)
※限界利益率=(売上高-変動費)÷ 売上高
固定費とは、売上の増減に関わらずかかる費用のことで、家賃や講師等の人件費などが該当します。
変動費とは、売上の増減に応じて変わる費用を指します。フランチャイズ契約で売上の何%かを、フランチャイズ元に支払う場合の費用や教材費などが該当します。
上記の損益計算書分岐点売上の計算ができると、いくらの売上を作ればみなさんの塾が黒字になるのかがわかるようになります。
あとは、出てきた損益分岐点売上高を生徒単価や科目単価で割ってみて、「どれだけの生徒数を集めないといけないのか?」「どれだけの科目を販売しないのか?」を導きだしましょう。
なぜ理解できている必要があるのか?
「どれだけの生徒数を集めないといけないのか?」「どれだけの科目を販売しないのか?」を把握するべきであると、再三申し上げていることの理由としては、これを把握しないと「頑張って経営が楽になる塾」なのか、「根本的に経営を見直さないといけない塾」なのかが判断できないからです。
例えば皆様が計算した結果、1,000科目の販売が必要であると分かったとします。
その際に、
- 塾の広さとして、それだけの科目数を捌くのに十分な面積があるか?(塾生が入れるか)
- 雇用している講師の人数で、それだけの科目数に対応できる状態か?
などを考えてみると、そもそも確実に対応しきれないと分かる場合等は、「根本的に経営を見直さないといけない塾」であると言えます。
このようなパターンの場合、集客をどうにか頑張ったとしても経営は楽になりません。
「固定費を如何にして減らすかを、本来最初に考えないといけない」であったり、「フランチャイズ加盟による変動費(売上連動の加盟店料)的に確実に経営が行き詰まるため、フランチャイズ加盟はやめないといけない」など、集客以外の部分を抜本的に変えないといけません。
これが見えていないまま我武者羅に間違った努力をし続けると、徒に皆様の預金残高をすり減らすだけになってしまいます。少し余裕のあるうちに、当事務所のような支援者にご相談することを強くお勧めします。
経営する立地の考え方

塾経営において、ご自身の商圏を正確に把握しておくことは非常に重要です。
皆様はご自身の塾の商圏に、何人程度の生徒になりうる年齢層の子供が住んでいるかざっくりでも把握できていますでしょうか?
商圏にいる子供の数の試算次第では、その場所で塾を経営すること自体が破綻しているという結果も出てきかねませんので、しっかりと把握しておくようにしましょう。
簡単に把握する方法として、まずはどの程度の距離まで子供は通ってくれるかを考えてみましょう。
これは皆様の経営する土地柄により異なりますが、例えば
- 駐輪場を完備していない塾を経営
- 隣駅には別の塾があるので、電車で通ってくる子供は見込めない
- 車での送り迎えする親は多少いるが、多くない
というような場合、徒歩20分(半径約1.5km)圏内が商圏であるなど仮説立てることができます。
その商圏内にある学校(中学校や小学校)の1学年の人数などを、生徒や親御さんとの立ち話などで把握することができれば、商圏内の子供の数はおおよそ試算が出来るでしょう。
この試算がつけば、
「商圏内でまだ生徒になりうる子供が沢山いるので、獲得しにいくべき」
「商圏内にいる子供は一定程度獲得しているので、科目数を増やしてもらう努力をするべき」
など進むべき方向性が自然と見えてきます。
競合他塾の考え方

皆様の商圏にいる子供達が通える他の塾は、競合となりますので把握が不可欠です。
注意すべきこととして、皆様の塾の商圏の広さと他塾の商圏は必ずしも同じではないという点です。
もっと具体的にいうと、皆様の塾は徒歩で来るしかないとしても、他塾は駐輪場や駐車場を完備しており、より広い面積を商圏として捉えている場合があります。
その場合、みなさまの商圏内にない遠方の塾が、実は競合であったというようなことが起こり得ます。
上述の内容を認識した上で、皆様の競合になり得る他塾を分析しましょう。
具体的には、その塾はどのようなブランディングを行なっているのか?を把握することが非常に肝要です。
例えば、競合他塾となりうる塾は入塾試験を設け、優秀な子供しか受け入れず、難関校へ入学させている実績が豊富である場合、同様のブランディングで後から参入する場合は中々上手くいかないでしょう。
そのような場合は訴求点をずらし、部活終わりでも受講できる時間帯を営業時間として、「部活を頑張りながらでも、そこそこの学校へ送り込むことを得意とする」などブランディングの方向性を考えていきましょう。
塾としての成否を握る極めて重要な点なので、怠らずに競合分析をするようにしましょう。
また具体的な集客施策は、以下の記事でも解説しておりますので、ぜひご一読ください。
まとめ
今回は学習塾の経営時に気をつける・考えるべきポイントを解説しました。
塾経営においては、これまで経営経験がない方も多く参入されているため、経営が傾いた時の対策の打ち方等に慣れておらず苦しんでいらっしゃる方が多いように感じています。
経営でお悩みの場合には、ぜひ1人で悩まず当事務所のような経営・財務・集客の専門家にご相談ください。皆様のご要望に合わせて柔軟にご支援いたします。
当事務所ではマーケティング戦略立案・実行支援や・資金繰り改善のご支援をしておりますので、もし外部機関に協力を仰ぐことを御検討される際には、選択肢の一つとして当事務所を入れていただたら、非常にありがたく思います。
在籍する中堅中小企業におけるマーケティング支援に長けた中小企業診断士が、全力で皆様の希望実現をサポートいたします。

当事務所の概要、サービスの一部紹介資料は、以下からダウンロード可能です。