最終更新日 2024年11月9日
中小企業診断士の川元です。
「売上を上げるために、WEBマーケティングやSNSマーケティングに注力しないと!」
そんな風に考えている経営者様は少し立ち止まって、本記事を読んでみてください!
今回は売上を上げるために、どんな施策をするべきか導出するための考え方について、当事務所でもご相談を受けたときに用いる考え方の一つを解説します。
(もっと沢山の考え方は存在します。気になる方は当事務所の無料相談をご利用ください。)
売上が上がらず困っている経営者様
売上目標を達成できずに困っている営業部門・マーケティング部門の方
目次
売上の構造とは?

売上を上げたいと考えるときには、「売上を構成する要素のうちどれを向上させていくことが効果的か?」
という問いに向き合う必要があります。
売上は大きく「顧客数×顧客単価×購入頻度」に分解することが出来ます。
そしてそれをもう一段細かく(図のA~Eの粒度)分解した上で、「どの項目が現状の問題点であるのか?」を知る必要があります。(分解した上での数字向上施策例は後述します)
そのためには、精緻にこれらの項目を数字で把握することは難しいかもしれませんが、概算で大まかにでも現在の売上の構成項目を数値化することが肝要です。
また目標として、「どのくらいの売上を作りたいか?」を定めることが必要です。その目標との差分の大きさ次第で、どの施策から手をつけるべきかは大きく変わってきます。
顧客数の改善施策

顧客数は言われてみれば当然ですが、「新規顧客数+既存顧客数」に分けることが出来ます。
どちらを上げるべきかで、すべき施策が変わってくるため分けて現在の状況を把握しておくようにしましょう。
新規顧客数を改善させる施策例(A)
新規顧客を増やす必要があるとなった場合にも、更に細かく「認知されていないのか?」「認知はされているが、顧客になってくれていないのか?」など分解して考えることが大切です。
認知されていなさそうな場合は、「SNS活用」、「広告活用」、「HPの開設+SEO対策実施」などのマーケティング施策を地道に行なっていくことや、新規開拓営業に営業担当者の時間を多く割くなどのセールス施策が適した改善策となります。
認知はされているが顧客化しない場合は、対応策として「契約や販売の直前工程の改良」か「製品やサービスの品質向上」が考えられます。
直前工程の改良とは、例えばインターネット上で販売が済んでしまうビジネスモデルの場合はサイトでのサービス表現の改良、営業担当がクロージングのため顧客訪問して契約書を結ぶ形態の場合は、営業担当者のクロージングスキルを上げる教育などが挙げられます。
並行して、サービス品質が悪い可能性も視野にいれて改善活動に取り組むことも肝要です。
既存顧客数を改善する施策(B)
既存顧客が少ない場合は、「新規顧客が継続して利用してくれない」「定着していた顧客が離れ始めている」という可能性が考えられます。
こちらに対する施策は、「サービス品質の向上」が最も大切な施策になります。一度利用してみたけど、もうリピートはしないなと顧客に思わせてしまうようなクオリティだったら当然にして既存顧客化はしません。
同様にこれまで定着していた顧客が離れる原因も大きくは、「品質の低下」です。
よくある例として、居酒屋で店長と話すことを楽しみに通っていた常連顧客が、店の繁盛と同時に店長が顧客と話す時間を減らしてしまい、結果として定着していた顧客が離れてしまったことなども、クオリティ低下に起因します。
顧客単価の改善施策

顧客単価の構造は細かく分類すると「商品単価×購入点数」に分解して考えることが出来ます。
それぞれの数字の改善施策は以下のようなものになります。
商品単価の改善施策(C)
商品単価を改善するためには、値付けを見直す必要があります。
価格設定の方法としては、以下の三つが主なものとして挙げられます。
- コストプラス法:価格=製造コスト+欲しい利益
- 競合比較法:価格=競合会社がつけている価格
- 市場価格法:価格=顧客が感じる便益
これら三点の方法を、どれか一つだけ考えるのではなく、全ての方法で考えてみて出てきた価格を見比べた上で最適と考えられる値付けを考えましょう。
顧客が離れてしまわないように、値上げとなる場合は丁寧な説明も心掛けるようにしましょう。
購入点数の改善施策(D)
購入点数を増やしてもらうための施策は、業種業態により多岐に渡ります。
例えば、小売店であればよくある施策としてセットで買ってもらえそうなものをレジの横に配置し、レジ待ちをしている間に買い物カゴに入れてもらうよう仕向けるなどはよく使われる手法です。
靴屋さんなどで、靴磨きセットや防水スプレーをレジ横に陳列している光景を皆様も一度は見たことがあるのではないでしょうか?
飲食店であれば、その日のおすすめ商品を店員さんからおすすめしてみるといった地道なセールス対応も、普段頼まないメニューの購買を創出し購買点数の増加に繋がります。
購入頻度の改善施策

購入頻度の改善のためには、お客様がどの程度の頻度で買いに来ているのかを把握することが大事です。
一般的には、ポイントカードやアプリを用意し購買の度に記録に残す方法がよく使われますが、そのような投資が出来なくても顧客の購買頻度を把握することは可能です。
お客様が予約をしてくれる度に、顧客リストに来店日を記録しておくでも良いですし、実際に来店してくれた際に記録をつけておくだけでも把握することは可能です。
その上で、一般的な購買サイクルと一致しているかを確認しましょう。一致しない場合は、他社でも購買していると考えることが出来ます。
他者で購入されている部分も、自社で購入してもらうためには、適切なタイミングで案内連絡を送ることが肝要です。
例えば、美容室の男性顧客の場合1〜2ヶ月に一度は髪が伸び、来店することが一般的です。上手くいっている美容室の例だと、1度来店されてから再来店される時期に来店を促すような連絡を送り既存顧客を離さないようにしています。
結果として、購買頻度を落とさないようにしています。
こちらも施策は業種や業界によって千差万別で、上記のような他者の取り組みをヒントに、自社であれば何が一番購買頻度の向上や維持に繋がるかは考えていくことが大切です。
まとめ
今回は売上向上に資する施策を、要素分解して考える一般的な手法を解説しました。いかがでしたでしょうか?
当事務所では、このような施策を皆様の会社の現状把握から実行支援させていただいております。
今回は一つの考え方として、売上を要素分解した上で解説しましたが、それ以外にも様々な考え方が存在します。
様々な考え方の中から、その企業にあった考え方を当事務所のコンサルタントがご一緒に考え、実行するところまでサポートいたします。
そして当時事務所ではマーケティングの知見が豊富なコンサルタントが事前面談した上で、面談した人間が責任を持ってご支援します。
本記事が経営者様のお役に少しでも立てば幸いです。
売上向上施策を考える際にコンサルと相談したいと思う場面では、当事務所も選択肢の一つとして入れていただたら、非常にありがたく思います。
在籍するマーケティングに長けたの中小企業診断士が、全力で経営者様の希望実現に向けサポートいたします。