最終更新日 2024年11月19日
こんにちは、中小企業診断士の川元です。
新商品を出したが全然顧客獲得できない時は、どんな会社・マーケティング担当者・営業担当者でもあると思います。
そんな時は一度自分の商材と、狙うべき顧客をよく見つめ直す必要があるかもしれません。今回はマーケターとして考えるべき、二つの売り込みパターンを紹介します。
この考え方は、マーケティング戦略を立てる部門以外にも、見込み顧客のあたりをつけてセールスをおこなう営業部門でも大事になってきます。
一つの考え方として知っておくと、今お困りの状況の打開策が見えてくるかもしれません。
商材別の考え方とは?

まずあなたの売っている商材は、以下のどちらに当てはまりますか?
①その種の商材(自社製もしくは他社製)をお客さんは定期的に購入している
ex)日用品・食料品・日用電気製品
②革新性が高いなどの理由で、お客さんはその種の商材を買い慣れていない
ex)革新的なソフトウェア・革新的な電気製品・保険商品
便宜上、この記事では①を既存製品、②を革新製品と呼ぶこととします。
言われてみれば当たり前なのですが、この二つは性質の差からマーケティング手法は変わってきます。
次章で詳しく解説します。
①既存製品のマーケティング

まずは、前述の①の既存製品のマーケティング手法について取り上げます。
この種の商材の場合は、『お客さんの今までの思考・行動パターンに合わせる』売り方を考えてみましょう。
もっと噛み砕いて言うと、『いつも買う物の購入場所と同じ場所』で、『いつも買う物と変わらない値段』で、『少しの工夫を加えて』売るということです。
いつも買うモノのパターンの中に、あなたの新製品が選択肢の一つとして追加されるようなイメージですね。
多くの商材で日常的に行われている手法ですが、この当たり前なことを、当たり前に出来ているか振り返ることも大切です。(奇を衒うようなことばかりが、マーケティング施策ではないですよ!)
商材は日常的に食してもらうためのパンで、いつもスーパーで朝食用のパンを買ってるお客さんがターゲットとします。
そのようなお客さん向けに、何回か購入したら『子供が好きなアニメのグッズ』をもらえるようなキャンペーンを用意して、普通のスーパーで一般的な価格帯で新製品のパンを販売します。
買い物についてきた子供が「キャンペーンのアニメグッズが欲しい」とねだり、「別にどのパンを買っても構わない」と考えている親御さんが、新しく選択肢として加わった自社新製品のパンを購入してくれるようなケースが、思考・行動パターンに合わせる売り方です。
②革新製品のマーケティング

前述の革新製品のパターンの場合は、お客さんはその種の商材を買うことに慣れていないため、既存商品とは根本的に違う売り方をする必要があります。
この種の商材の場合は、『お客さんの今までの思考・購買パターンを変えさせて、検討の土俵に立つ』ことが必要だということを意識しましょう。
多くの場合、企業の購買部長などは新種の製品の導入は積極的に行わず、いつもの慣れ親しんだ物のみを購入し続けるというパターンは崩しません。
そのため買ってもらう以前に、検討してもらうことすら決して容易ではありません。
業務改善のために「(聞いたこともない)新しいソフトウェアの使い方を1から覚えて、効率を改善しよう」などと頻繁に思う人はいませんよね?
新しいものを導入して失敗するのはリスクです。もし今までそれなりに上手くいっている、もしくは特に問題は起きていないとしたら、尚更その分野で目新しい商品やサービスを取り入れるリスクを犯さないことは、購買部門からすると当然の判断といえます。
そのため、この種の商材を売り込む時には、以前の購買習慣が「間違っていた」「効率がかなり悪かった」と認識してもらい、購買習慣を崩す必要があります。
これを崩すことは簡単ではないので、手っ取り早く売るには、「慣習的な購買パターンが確立されていない」もしくは「新しい購買パターンを確立しないといけない」ような、過去の購買パターンを崩す手順が必要がないターゲットを、想定顧客として選ぶことを考えましょう。
具体的には企業であれば、
『社長が変わったばかりの会社』や『規模が急拡大して、新しいフェーズに入ろうとしている会社』
個人であれば
『新しく子供が生まれた人』や『定年退職したばかりの人』
などが該当します。
頻繁に契約するものではない保険商品が一番想像しやすいかと思います。
子供が生まれた時や社会人になった時・住宅ローンを組み始めた時など人生の節目で、保険商品を契約したり見直す人が多いため、そのような方をターゲットに営業する。
このような場合が、これから新しい購買パターンを確立する人に対して売る典型的なケースと言えます。
最後に
新商品を売り始めたり、新事業を行う際には「想定顧客はどんな人や会社で、どうやって売るのか」をどんな会社も擦り切れるくらい考えなければなりません。
そんな時に行き詰まったら、マーケティングやセールスにおける、数ある考え方の一つとして参考にしていただけると幸いです。
当事務所に相談いただいた場合は伴走型支援を中心としておりますので、お客さまの会社の商材や市場環境など様々な要因から、一緒にマーケティング戦略を考えさせていただきます。
外部のマーケターの目を通すことで、今までの社内の固定概念から脱して、有効な打ち手も見つかることは多分にあります。ぜひお気軽にご相談ください。

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