最終更新日 2023年1月29日
目次
はじめに
この記事を読んでいただいているということは、歯科医院を始めたけどあまりお客さんが来ない、もっとお客さんを増やしたいという思いをお抱えかと思います。
これまで中小企業診断士として、多くの事業者様のご支援をしてきましたが、一口に歯医者さんと言ってもビジネス感覚の有無の差が大きい印象があります。
私が支援してきた中では、ビジネス感覚・営業センスに優れた方はいち早くマーケティング戦略を考えて、WEB集客に取り組み多店舗展開に繋げている方もいらっしゃいますが、そうでない看板を出しているだけの歯科医院は残念ながら閑古鳥が鳴いていることが多いように思います。
またWEB集客にはもう取り組んだが、集客効果が出なかったという方も多くいらっしゃると思います。
そのような方はWEBサイトを作る時に、安く作ってくれる業者を探して作って貰ってから、
そのまま掲載しっぱなしではありませんか?
しっかりサイト構成を考えて作って貰いましたか?
運用は休業日を更新するくらいになってしまってませんか?
上記のような方は、看板を出しているだけと何も変わりません。WEBの世界は公開したものを、見てもらうための努力をして初めて効果を発揮します。しかし、このような手法まで教えてくれる人はほとんどいません。
「独立して歯科医院を経営を始めたけど、集客に困っている」「これから独立開業を考えているけど、お客さんが来てくれるか不安」「かつてのようにお客さんが来なくなった」というような方のために本記事は書きました。
ぜひ最後までお読みいただきご自身の経営にお役立てください。
歯科医院を取り巻く現状
市場データから見る歯科医院
歯科医院の数はコンビニより多いという話は一度は皆様聞いたことがあることと思います。
実際に厚生労働省が発表している「医療施設動態調査(令和4年9月末概数)」によると歯科診療所の数67,759に対し、令和4年9月末時点でコンビニ数が55,872(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会「JFAコンビニエンスストア統計調査月報」より)とコンビニより10,000店舗以上多く非常に多くの歯科医が自身の医院を持っていることが伺えます。
上記は2017年の歯科医院数・日本の人口を基準として、2021年までの各年度両方の数値が、何%まで増減しているのかを表したグラフです。
上記のとおり人口の減少と追随するように歯科医院数も緩やかに減少してきており、市場が既に飽和状態にあることが読み取れます。
そして今後の見通しとして、日本の人口が減少し続けることは明確なので、廃業を選択する歯科医院の数が、開業する医院数を上回り続けることが予想されます。歯科医院にとって市場の先が明るいとは言えないのが現状です。
そのため、ビジネス感覚に優れて、上記のような定量的な様々の情報を自分で調べたり、コンサルタントからキャッチしている歯科医院は、危機感を持って集客チャネルの構築に投資を行い、限られた市場の中で自分の医院の売上・利益を確保するように努力をしています。
かつて士師業の独立開業は、その他の業種の開業に比べて安全と言われていました。
しかしながら現在はある程度国家資格の取得という面で参入障壁はあれど、かつてほど安泰ではなく、他のビジネスと同様に、激しい市場競争の中でビジネスとして成り立つように努力する必要があります。
財務データで見る歯科医院
上記の財務諸表は、法人形態の場合の歯科医院の損益イメージ例である。
歯科医院は家賃の有無などで、収益状況は変わってくるが、基本的に歯科医師の技能による労働集約的なビジネス形態となることからも、上記の財務モデルのように、簡単に運営できるほど利益率に余裕がある業界ではありません。
もし現状上記モデルと比べて余裕がある運営を、特別な施策を行わずに出来ていたとしたら、自身の歯科医院がある地域は、新規出店を考える歯科医にとっても魅力的な地域に映っている可能性も考えなくてはいけません。
今後起こり得る市場競争も考慮した上で、現状のままの集客施策で良いのかを考える必要があると言えます。
歯科医院がすべきWEB集客施策
自社サイトの用意
WEB集客をする上で自社サイトがあることが大前提となります。現代において、WEBサイトを用意していないということは、その会社や歯科医院が存在していないと捉えられてもおかしくない時代に段々となってきています。
またWEBサイトを用意するなんて当たり前の話しと感じられるかもしれませんが、集客に役立つサイトを用意することは簡単ではありません。
サイトの記載内容や、構造がちゃんと検索上位に出るような形で作られているか?
どんな検索語句で自社サイトが出てきたら、集客につながりやすいか?
競合になる歯科医院はどんなサイトを用意していて、どんなSEO対策をしているのか?
など作成前に考えなければいけないことはたくさんあります。
マーケティング戦略などと密接に関わってくる内容なので、全てのサイト作成業者が上記のようなことまで考えて、サイトを作ってくれる(作れる)わけではありません。
安くサイトだけを作ってくれる業者にお願いするのであれば、上記のようなことはご自身で考えて(もしくは当事務所のようなデジタルマーケティングコンサルに依頼して)、業者に発注する必要があります。
Googleマイビジネスへの登録
「地名+歯科医院」での検索を行うと最近のGoogle検索結果では、下の写真のようなその地域に存在する店舗とその地図の情報が検索上位に出てくることがあります。
これはGoogleマイビジネスというサービスに登録して(無料でできます)、評価が上がってくると上位に表示されるようになってきます。
その地域で歯科医院を探して調べているお客様にとって、目にすることが多いページとなります。
営業時間や口コミ、混雑しやすい時間帯などを見ることができるため、お客さん側から見たら非常に有効な情報源となります。
登録して放置するのではなく、ぜひ良い口コミを書いてもらえるように努力していきましょう。
お客さんは正直にこのような場所にフィードバックを記載するので、ご自身の医院の顧客満足度向上のための有益な情報源ともなります。
WEB広告の出稿
こちらは必ずしも全ての歯科医院がすべきという訳ではありません。
しかし、販促費として少し投資をしてみようかという場合は試してみる価値はあります。
「皆様の歯科医院の存在する地名+歯科医院」で検索してみてください。もし少し大きな都市で開業している場合、検索の1ページ目の上部もしくは下部に『広告』とついた検索結果が出てきませんでしょうか。
もし出てきた場合は、みなさんの医院の競合となり得る歯科医院が、広告代理店を通してもしくは自身で、予算を投じて広告出稿しているということです。
このような場合に、みなさんの歯科医院はSEO対策やWEB広告出稿など何も対策を取っていないとします。
そうすると、本来であれば皆様の歯科医院に来店する可能性があった新規顧客を、WEB上での集客努力の差で失うということが起こってしまいかねません。
限りある見込み顧客を失わないためにも、SEO対策またはWEB広告の出稿、は必ずどちらか行っておくことをおすすめします。
(勿論両方行うことが理想的ですが、それは自分の医院の避ける、予算と人員労力と相談した上で出来そうであれば実施しましょう。)
見込み顧客に役立つコンテンツを発信する
SEO対策の基本施策として、E-A-Tを意識した見込み顧客に役立つコンテンツを発信することが挙げられます。
E-A-Tとは
- Expertise 専門性
- Authoritativeness 権威性
- Trustworthiness 信頼性
の頭文字をとったものであり、自身の発信するコンテンツに上記の要素が含まれているとSEO対策上有効に働くと言われております。
皆様歯科医師は国家資格を保持している方々であり、皆様が歯に関するコンテンツを発信することは上記三点を満たしやすく、相性の良い施策といえます。
ここで注意すべきなのは、大前提として①E-A-Tともう一つ②顧客の役に立つという観点に立って発信する必要があります。
時々ここを勘違いして、内容がない医院ブログを更新している方を目にすることがありますが、こちらはSEO対策や集客という観点ではあまり有意ではないことを理解しておく必要があります。
最後に
ここまで歯科医院が行ったら有効であると考えられる施策の一部をご紹介しました。
WEBを取り巻く傾向として、お金をどれだけ投資できるかも大事ではありますが、正しい手法である程度手間をかけて発信し続けることの方が、より求められるようになってきています。
そして現代のWEB施策は代理店などを通さなくてもご自身でできることばかりであり、無料でできることも多くなってきました。
しかし、地元に根付いて歯科医院を経営している皆様は、人件費削減のために経理作業も自身でやっていたりと非常に多忙であり、自分でWEB集客施策を考える・実行する時間が取れないという方もいらっしゃるかと思います。
もしご自身で上記のような施策を実行する時間がない、手をつけてみたけど分からないことがある。プロにお任せしたいということであれば、お気軽に無料相談にてお話しください。
当事務所はお客様の競合の支援を行ってしまわないように、一地域で同一業種からの相談は受けないようにしております。もし当事務所の支援に興味がありましたら、お早めにご連絡ください。