最終更新日 2022年10月24日
最近本人はちゃんと考えているつもりでも、ほとんど思いつきに近い形で新事業を始めて、あまりうまく行かなかったというような方々とお会いすることが増えてきたので、今回はSWOT分析(聞いたことある・やったことがある人も多いと思います)と、そこからもう一歩踏み込んだクロスSWOT分析を基に、会社として取組むべき新施策について考える方法をお伝えします。
- 新しい取り組みをしたいけど、何をすれば良いか分からない
- いつも思いつきで新しい取組みをしていたが、あまり上手くいかなかった
- 漠然と経営改善のために何かしないとと思っている
- 初めて起業しようと考えている
そういった会社の経営陣や個人事業主の方向けに考え方の一例として解説します。
SWOT分析とは?
会社の現在置かれている状況を、正しく理解するための分析方法です。
銀行員がお客さんに融資をするか検討する時や、経営企画職の社員が経営計画を立てる時などに手始めにおこなったりしますね。
具体的には、自社の抱える資産やサービス品質・商品などの内部環境と、市場のトレンドや競合状況・法規制などの外部環境についてプラス面とマイナス面を書き出していくことで、自社の状況を明文化して把握することができます。
- Strength(強み=内部環境のプラス要因)
- Weakness(弱み=内部環境のマイナス要因)
- Opportunities(機会=外部環境のプラス要因)
- Treat(脅威=外部環境のマイナス要因)
の四要素に分けることから、頭文字をとってSWOT分析と呼ばれます。以下のような4マスの図の中に、自社の当てはまるものを書き込んでいきます。

手順としては、O(機会)から考えていくことが肝要です。そしてS(強み)はO(機会)に活かすことができる強みを重点的に考えていきましょう。
O(機会)を考える上で重要なのは、
現代の技術革新や時流・規制によってどんな需要・市場が伸びてきそうか?
ニッチではあるがこの分野なら需要や今後の伸びしろがあるのではないか?
その市場に自社はどういう関わり方ができるか?
という視点で挙げていくことです。
そしてS(強み)はもしパッと思い浮かばなければ、自社の抱える人材(ヒト)・商品/サービス(モノ)・財務/新規事業への投資余力(カネ)の面で分解して考えてみると、普段意識していなかった自社の強みを浮き彫りにできるかもしれません。
自分で強みと思い込んでいても、客観的に見ると大した強みではないこともありますので、是非異なるポジションの社員から幅広く意見を聞きながら進めることを推奨します。
W(弱み)やT(脅威)については、日々の経営での悩みや危機感から考えてみて下さい。
(ご支援していると結構この部分はすぐに出てくる経営陣が多いです。やはり自社の足りない部分はどうしても目につくのでしょうね…)
ここまででも、考えれば考えるほど負荷の大きい作業だったと思いますが、もう少し頑張りましょう。
今後の打ち手まで導き出すには後述するクロスSWOT分析まで行うことをお勧めします。
クロスSWOT分析とは?
SWOTの内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)をかけ合わせることで、具体的な打ち手を言語化して考える手法です。具体的には掛け合わせ方により、以下図の4つの戦略に分けて考えることになります。

基本的には積極化戦略から優先的に取り組んでいくことになりますが、自社の経営が危機的状況にある時には防衛撤退戦略にも同時に目を向けていく必要がある場合もあります。
自社の置かれている、内部環境の(強み・弱み)と外部環境の(強み・弱み)のかけ合わせから
自社のA商品に〇〇の機能(強み)を付加して、□□のようなニーズのある顧客や市場に向けて、△△のような販促を行い、A事業の売上を上げる
といったように、具体的に次に何をするかを意識した言語化ができると、思いつきで次の打ち手を考えるより有効な自社の取り組むべき課題が見えてきます。
最後に
今回はSWOT・クロスSWOTを用いた新規事業の考え方をご紹介しました。
シンプルな手法ですが奥が深く、ここでご紹介したものはほんのさわりに過ぎませんが、やるのとやらないのでは、事業の成否の可能性が大きく変わることでしょう。(金融機関に説明する際に、説得力を持たせることにも繋がります。)
他の分析手法などと掛け合わせて考える方法もありますが、まず最初はシンプルに上記二つから始めてみるだけでも、論理的に新事業を導くことが出来、十分に価値があると個人的には考えています。
当事務所では、新規事業を考えるところから実行段階まで伴走しながらご支援をしております。
経営について相談できる相手がおらず悩んでいらっしゃれば、どんな些細なことでも結構ですので、気軽にお問い合わせフォームよりご相談下さい。
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