最終更新日 2024年8月10日
巣鴨コンサルティング代表・中小企業診断士の川元です。
中小企業やベンチャー企業にとって、投資はしたいが資金繰りは楽ではないといった状況は多くの場合ついて回る課題かと思います。
今回は、埼玉県で営業する中小企業やベンチャー企業の経営者、経理責任者向けに、事業投資に使える補助金や助成金をご紹介します。2024年度は公募が終わってしまった助成金もありますが、来年度も公募が行われる可能性がありますのでチェックしておきましょう。
申請には相応の手間と専門性を要しますので、自社では採択されるレベルの申請書作成が難しそうであれば、ぜひ当事務所にご相談ください。
テレビや新聞で大々的に報道されることはありませんが、自治体が準備している支援制度は数多く存在します。
ぜひ情報を当事務所などから仕入れ、上手に経営に役立てていきましょう。
目次
経営革新デジタル活用支援事業補助金

本補助金の2024年度の公募期間は6/3~7/31でした。
来年度同様の助成金が募集される可能性もありますので、情報をおさえておきましょう。
補助金概要
埼玉県の企業を対象とした、デジタル技術を活用した新サービスや新製品の開発などにかかる費用に対する補助金です。
- 埼玉県内に登記簿上の本店及び主たる事務所を有する者(個人事業主の場合は、埼玉県内に住民票上の住所地及び主たる事務所を有する者)である
- 組合の場合は、事業及び経費の分担が明確であり、構成員への成果普及体制が整っていること
- 2023年10月2日〜2024年9月30日に埼玉県から経営革新計画の承認(変更承認を含む)を受けた(又は受ける見込の)者で、その計画に基づき、デジタル技術を活用した新サービス・新製品の開発、効率化による生産性向上、販売促進等を行う者である
- 原油価格・物価高騰等の影響により、売上高が10%以上減少又は付加価値額が15%以上減少していること
- 補助金申請日時点において埼玉県内で事業を行っており、引き続き、県内で事業を継続する意思がある
経営革新計画の作成および承認を受けることは、経営計画書を書き慣れない事業者様にとっては一定の負担がありますが、当事務所では経営革新計画の作成支援も承っておりますので、ぜひお困りでしたらご相談ください。
経営革新計画の作成とは言い換えると事業計画書の作成であり、今後の事業の方向性・ビジョンを定める良い機会となり、出来上がった計画書は今後の事業運営や金融機関への説明資料としても大変役立ちます。
補助金を利用するか否かに関わらず、この機会に作成を検討してみてはいかがでしょうか?
補助対象となる経費
承認を受けた(これから受ける)経営革新計画に記載した、デジタル技術を活用した新サービス・新製品開発/効率化による生産性向上/販促投資に使う費用であり、以下の費目に該当するものが補助対象経費となります。
- 建物費
- 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費 クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
- その他経営革新計画事業において必要と認められる経費
かなり幅広い費目での活用が認められていますが、経営革新計画との整合性はとっておく必要があり注意が必要です。
助成金上限額と助成率
①売上高1,000万円超の事業者
- 補助金額:50万円〜150万円
- 補助率:補助対象経費の2分の1
②売上高1,000万円以下の事業者
- 補助金額:30万円〜150万円
- 補助率:補助対象経費の3分の2
となっております。つまり売上高1,000万円以下の事業者の場合、210万円のシステム構築費を申請し、助成対象として認められた場合、2/3の140万円がもらえる補助金額となります。
申請にあたっては、埼玉県のHPを確認しておくようにしましょう。
さいたま市高付加価値サービス創出支援補助金

こちらの補助金は2024年度の公募期間は以下の通りです。来年度も同様の公募が行われる可能性があるので、申請が間に合わない事業者様もぜひ内容を押さえておきましょう。
一次公募:2024年7月2日~2024年7月31日
二次公募:2024年8月5日~2024年8月30日(一次公募で採用枠が終了した場合は公募なし)
補助金概要
2つ以上の機関が連携して(中小企業/大企業/大学等研究機関など)、新しい分野の新商品やサービスや技術開発を行うことで、高付加価値な製品やサービスを開発することを支援する補助金です。
こちらの補助金は埼玉県ではなく、さいたま市の事業者向けのものです。
応募要件
応募するには以下2点を満たしている必要があります。
- さいたま市内に本社または事業所を保有する中小企業であること
- オープンイノベーションの手法を用いた計画を実施すること
補助対象となる経費
- 機器等購入費
- 共同研究費
- 外注費
- 旅費・交通費
- 消耗品費
- 機器等リース費
- 知財費
- 展示会出展費
が対象とされております。
2つ以上の機関が連携して開発するというポイントに申請の難しさがありますが、元々そのような計画で他社や大学等と会話をしていた企業様で、上のような経費を使いたい場合はぜひ利用を検討してみましょう。
補助上限額と補助率
- 交付上限額:100万円
- 補助率:補助対象経費の2/3以内
となっております。つまり150万円の機器を購入し、助成対象として認められた場合、2/3の100万円がもらえる補助金額となります。
申請にあたっては、以下のさいたま市産業創造財団のHPおよび公募要領を読み込んでおくようにしましょう。
グローバル顧客価値向上補助金

本補助金の2024年度の公募期間は6/17~7/31です。
来年度同様の助成金が募集される可能性もありますので、申請に間に合わなかった事業者様も来年度を見据えて情報をおさえておきましょう。
助成金概要
海外展開に挑戦するさいたま市内の企業が、新たに海外向けに最適化したビジネス手法を構築し、自社製品・サービスの付加価値向上を図ることを支援する補助金です。
こちらの補助金は埼玉県ではなく、さいたま市の事業者向けのものです。
海外マーケットの具体的なターゲットに対して計画的にアプローチし、フィードバックを獲得しながら適切な経営資源の分配を図るため、調査段階の活動経費の一部が補助されます。
上述のような目的の補助金であるため、補助を受けるには海外展開の事業計画を策定している必要があります。
応募要件
さいたま市内に事業所や法人登記のある企業が対象となります。
中小企業者等と大企業いずれも対象です。
補助対象となる経費
- 旅費交通費
- 外注委託費
- 専門家謝金
- 専門家旅費
- 賃借料
- 知的財産権等関連経費
- 通信運搬費
- 展示会出展費 /展示会装飾費
- 販売促進広告費
- テストマーケティング試作費
注意すべき点として、調査を要しない展示会出展のみの申請や、すでに進出している国や地域への製品・サービス展開を行うものは対象外となります。
補助上限額と補助率
①中小企業等
- 補助金額:200万円
- 補助率:補助対象経費の3分の2
②大企業
- 補助金額:200万円
- 補助率:補助対象経費の2分の1
となっております。つまり中小企業の場合300万円のテストマーケティングに費やし、助成対象として認められた場合、2/3の200万円がもらえる補助金額となります。
申請にあたっては、以下のさいたま市産業創造財団のHPおよび公募要領を読み込んでおくようにしましょう。
まとめ
今回は埼玉県独自の助成金に焦点をあてて解説しましたが、皆様が使える制度として国が用意している補助金も多数存在します。
投資時の資金繰りを安定させられることを考えると、ぜひ上手に利用を検討したい経営支援制度です。
しかし助成金をもらうために、事業をその応募要件に寄せにいくことは避けることを推奨します。
受給要件内の事業を意図せずしている・自腹であっても欲しい設備や使いたい経費がある場合に利用を検討する方が、上手な利用法といえます。
ぜひ助成金や補助金に興味を持たれましたら、当事務所にどんな制度が使えそうか(使うべきか)ご相談ください。皆様の会社の希望に沿った補助金を探し申請をサポートします。
また当事務所では、金融機関調達やエクイティファイナンスなど幅広く資金調達のご支援をしております。
当事務所は経験の浅い新卒人材等をコンサルタントとして担当させることは致しません。必ず金融機関出身者・投資家対応経験がある経営企画出身者・中小企業診断士等の知見豊富な人間がご担当しますので、安心してご相談ください。
全力で皆様の会社に最適な資金調達計画の立案・実現をご支援します。
お悩みであれば、ぜひ一度ご相談ください。